「今日から禁酒するぞ!」と意気込んだものの、仕事が終わった帰り道、コンビニの酒コーナーがやけにキラキラして見えたり、いつもの晩酌時間が近づくと、喉の奥がカラカラになってきたり…。
禁酒初日、もうすでに「今日だけなら…」と弱気になっていませんか?
僕もそうでした。禁酒初日の強烈な飲酒欲求は、想像をはるかに超えるものでした。でも、この初日を乗り越えられるかどうかで、今後の禁酒生活が大きく左右されると僕は考えています。
- 禁酒を今日から始めた人
- 禁酒を始めようか迷っている人
- 禁酒を始めてみたけど、初日からもう飲みたい…

この記事では、僕が禁酒初日の強烈な飲酒欲求にどうやって打ち勝ったのか、具体的な方法を体験談と合わせてご紹介します。この記事を読めば、初日を乗り越えるためのヒントが得られ、同じように頑張っている仲間がいるという安心感を得られるはずです。
禁酒初日が最も辛い「科学的な理由」
禁酒初日を乗り越えることが大切なのは、脳のメカニズムと長年の習慣が影響しているからです。ここでは、その科学的な理由を解説します。
- 脳がアルコールを求めているから
- 「いつもの習慣」を断ち切る必要があるから
- 「また明日から」という甘えが初日を難しくする
脳がアルコールを求めているから
長期間にわたる飲酒は、脳の神経伝達物質に影響を与え、アルコールがない状態になると、脳が「もっとアルコールが欲しい」とサインを送ります。
これが、禁酒初日に飲酒欲求が強く現れる理由です。このサインに打ち勝つことで、脳のバランスが少しずつ正常に戻っていきます。
アルコールは脳内でGABAという抑制性の神経伝達物質の働きを強め、気分を落ち着かせる効果があります。
しかし、常習的な飲酒によって脳がアルコールに依存してしまうと、アルコールが抜けた際にGABAの作用が弱まり、脳が興奮状態に陥ります。
この状態を抑えるために、強い飲酒欲求が生じると言われています。
アルコールによる急性の中枢神経系抑制効果は、抑制性神経(GABA神経系)伝達の効果増強と興奮性神経(グルタミン酸神経系)伝達の効果減弱の相関により生じます。
(中略)
出典: 札幌太田病院「アルコール依存症に関する情報提供」PDF資料より
この状態で酒が切れてアルコールが体内から消失すると、興奮系と抑制系のバランスが崩れ、興奮系が優位となり、痙攣などの離脱症候群や強烈な飲酒欲求を引き起こすと考えられています。
「いつもの習慣」を断ち切る必要があるから
お酒を飲むことは、日々の生活の中に深く根付いた習慣です。仕事終わりの一杯、食事中の晩酌、寝る前の一杯など、無意識のうちに行っている行動を初日から断ち切る必要があります。
この「いつもの習慣」を断つことで生じる心の寂しさや不安も、飲酒欲求を強める要因となります。
行動は「トリガー(きっかけ)→行動→報酬」のサイクルで習慣化されます。
例えば、「仕事終わり(トリガー)→ビールを飲む(行動)→リラックスする(報酬)」というサイクルが繰り返されることで、体が無意識にお酒を求めるようになります。
初日は、この強固な習慣のサイクルを断ち切る必要があるため、特に辛く感じるのです。
アルコール依存症のサイクルについて、早稲田メンタルクリニックのYouTube動画では、以下のように説明されています。
「ストレスが溜まって不安になる→お酒を飲みたい→お酒を飲む→一時的に満足する→また不安になる→お酒を飲みたくなる…」
出典: 早稲田メンタルクリニック 参考
「また明日から」という甘えが初日を難しくする
禁酒初日は、誘惑に負けそうになったとき、「今日だけ飲んで、明日からまた頑張ろう」という思考に陥りやすいです。この考え方は、禁酒を始める上で最大の落とし穴になります。
「偽りの希望症候群(False hope syndrome)」は、心理学者のジャネット・ポランスキーらが提唱した概念です。初日に失敗したことで「いつでもやり直せる」という考えが習慣化され、結果として目標達成が遠のいてしまうことを説明しています。
だからこそ、禁酒は「初日の成功体験が大切」と言われるのです。初日に成功すると、「自分はできる」という自己効力感が高まります。この自己効力感は、心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した概念で、長期的な継続の原動力となります。
僕が実践した「禁酒初日」の乗り越え方3選!!


禁酒初日の強烈な飲酒欲求に打ち勝つには、「飲酒以外の行動で心を満たすこと」が重要です。ここでは、僕が実際に試した3つの方法をご紹介します。
- お酒を飲まない「新しい習慣」を始める
- ノンアルコール飲料を常備しておく
- 禁酒を「宣言」して自分を律する
お酒を飲まない「新しい習慣」を始める
いつもの晩酌時間に、お酒を飲まない別の行動に置き換えることが効果的です。特に、身体を動かしたり、頭を使うことに集中したりすると、お酒のことを考える隙をなくせます。
僕の体験談
仕事から帰宅したら、すぐにノンアルコールビールを飲むか、ゲームの電源を入れるようにしました。
特に、オンラインゲームに没頭している間は、飲酒欲求のことをすっかり忘れることができました。また、部屋の片付けや読書など、軽い作業から始めるのもおすすめです。
ノンアルコール飲料を常備しておく
飲酒欲求は、突如として襲ってくるものです。そんな時に備え、お酒の代わりになるものを常に手元に用意しておきましょう。
僕の体験談
冷蔵庫には、いつものビールではなく、ノンアルコールビールや炭酸水を冷やしておきました。「とりあえず飲みたい」という衝動が湧いた瞬間に、これを飲むことで口寂しさを紛らわすことができました。
特に、ビールに似た味わいのノンアルコール飲料は、「飲んでいる気分」を味わえるので効果的でした。
禁酒を「宣言」して自分を律する
禁酒初日の決意は、とても脆いものです。その決意を固めるために、誰かに宣言することは大きな助けになります。
僕の体験談
X(旧Twitter)で「今日から禁酒始めます!」とツイートしました。誰かに見られているという意識が、「ここで飲んだら格好悪い」と、弱気になった自分を奮い立たせてくれました。
もし、SNSを使うのが抵抗ある場合は、家族や親しい友人に「今日から禁酒を始めたから見守ってて」と伝えるだけでも効果があります。僕の場合この方法が一番効果的でした。
禁酒初日に絶対やってはいけないこと
最後に、禁酒初日にやってしまうと、挫折するリスクが高まる行動を2つご紹介します。
- 「一杯だけなら…」と妥協する
-
初日に「一杯だけなら」と妥協してしまうと、それがずるずると次の日、また次の日へと続いてしまいます。禁酒はゼロか100かではありませんが、初日は「絶対に飲まない」と強い意志を持つことが大切です。
- お酒が置いてある場所に近づく
-
コンビニの酒コーナーや、飲み会など、お酒がある場所に近づくのは避けましょう。飲酒欲求が強い初日は、誘惑を断ち切るのが非常に困難です。
まとめ
禁酒初日の飲酒欲求は、本当に辛いものですよね。でも、その辛さを乗り越えることで、あなたはすでに大きな一歩を踏み出したことになります。
初日を乗り越えるコツは、「我慢」ではなく「行動」にあります。お酒を飲まない新しい習慣を始めたり、ノンアルコール飲料を常備したりすることで、飲酒欲求に打ち勝つことができます。
この記事を読んで「自分も頑張ってみよう」と思っていただけたら嬉しいです。まずは、今日一日を乗り切ってみませんか?
このブログには、禁酒生活のヒントが他にもたくさんあります。ぜひ、他の記事も読んでみてください。同じように頑張っている仲間が、きっと見つかりますよ。
コメント