株式投資につきものなのが、「株価の変動」、そして時には予測不能な「株価暴落」です。特に、配当収入を目的として投資している方にとって、保有している株の価格が大きく下がると不安になるのは当たり前です。
しかし、配当投資家だからこそ、暴落時でも冷静に対処できる考え方や行動があります。この記事では、株価暴落が起きた場合の対処法について紹介していきます。
- 株価が暴落したときどうすればいいか分からない人
- これから配当株投資を始めてみたいけど、暴落が怖くて始められない人

この記事を読むことで、実際に株価暴落に遭遇した時の対処法がわかります。
なぜ暴落時も比較的冷静でいられるのか?


株価が大きく下落する局面でも、配当投資を重視している投資家は、比較的冷静を保てる傾向があります。その理由は以下の3つが大きいです。
- インカムゲイン(配当収入)があるから
- 長期投資が前提だから
- 企業のファンダメンタルズに注目しているから
1.インカムゲイン(配当収入)があるから
株価の変動による含み損が発生しても、企業が健全であれば配当金は継続して支払われます。これにより、損失の一部をカバーできたり、資産全体としてマイナスになりにくいという安心感があります。
配当についてよくわからないという方はこちらの記事がおすすめです。


2.長期投資が前提だから
配当投資は、短期的な株価の値上がり益(キャピタルゲイン)ではなく、長期的に配当を受け取り続けることを目的としています。
そのため、短期的な株価の変動に一喜一憂しにくい傾向があります。そのため、株価が暴落したからといって慌てて株価を手放す行為は非常にもったないです。
10年などの長期的スパンで見れば、株価が元の水準に戻ってくる可能性が非常に高いため、配当目的の投資家は静観することができます。
3.企業のファンダメンタルズに注目しているから
株価の表面的な動きだけでなく、企業の業績、財務状況、将来性といった本質的な価値(ファンダメンタルズ)を重視して投資判断を行います。
暴落時も、企業の価値が変わっていなければ、一時的なものだと捉えられます。逆に企業価値が低下している場合は、株を手放す選択をすることもあります。



もちろん、大きな暴落局面では誰でも不安になります。しかし、これらの配当投資ならではの視点を持っていることが、冷静な判断に繋がります。
株価暴落!その時どうする?具体的な対処法6選


実際に株価暴落に直面した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、主に6つの対処法を紹介します。
- パニック売りをしない
- 暴落の原因と企業の状況を確認する
- 配当の変更がないかチェック
- 買い増しの検討(ナンピン)
- ポートフォリオ全体を見直す
- 静観する(何もしないという選択肢も有効)
対処法1:パニック売りをしない


最も大切なのは、感情的な「パニック売り」をしないことです。
暴落時には「もっと下がるのでは」という恐怖や、「早く損を確定して楽になりたい」という気持ちになりやすいですが、感情に任せた行動は、多くの場合、後になって後悔することになります。
まずは深呼吸をして、冷静になる時間を持つことが大切です。
対処法2:暴落の原因と企業の状況を確認する


株価が暴落したときは、なぜ株価が暴落しているのか、その原因を探りましょう。以下の2点を主に確認していきましょう。
- 市場全体の問題か?
- 保有銘柄固有の問題か?
- 市場全体の問題か?
-
世界情勢の悪化、経済指標の悪化など、市場全体に影響を与える要因であれば、多くの銘柄が同様に下落しているはずです。
- 保有銘柄固有の問題か?
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投資している企業の不祥事、業績の急激な悪化など、その企業特有の問題であれば、その企業の将来性に大きな影響を与える可能性があります。
原因が市場全体の問題であれば、企業のファンダメンタルズに変化がなければ、いずれ株価は回復する可能性が高いです。しかし、企業固有の深刻な問題であれば、保有し続けることが適切か再検討が必要になります。
また、保有している企業の最新の決算発表やニュースを確認し、業績や今後の見通しに変化がないか、特に配当方針に変更がないかを確認しましょう。



もし配当が減配、無配になれば配当の旨味がなくなります。状況によっては、株を手放すことも検討しましょう。
対処法3:配当の変更がないかチェック


配当投資家にとって最も重要なのは、配当が継続されるかどうかです。
暴落の原因が企業の業績悪化によるものであれば、減配(配当金が減る)や無配(配当金がゼロになる)のリスクが高まります。
企業のIR情報などを確認し、配当方針に変更がないか、今後の配当見通しについてどのような発表がされているかをチェックしましょう。
配当が維持または増配される見込みであれば、株価が下がっても保有を続ける理由になります。
対処法4:買い増しの検討(ナンピン)


株価が大きく下落することは、裏を返せば、これまで高くて買えなかった優良企業の株を安く買えるチャンスです。
企業のファンダメンタルズが健全で、市場全体の暴落に巻き込まれて株価が下がっているだけなら、追加購入することで、平均取得単価を下げられます。株価が回復した際には、より大きな利益を得られる可能性があります。
ただし、これは「質の良い企業」であることが大前提です。
業績が悪化している企業や、将来性に疑問がある企業の株を安易に買い増すのは危険です。



一度に全ての資金を投入するのではなく、複数回に分けて買い付けるなど、慎重に行いうことが大切です。
対処法5:ポートフォリオ全体を見直す


暴落は、自身のポートフォリオ(保有している株の組み合わせ)を見直す良い機会です。損しないためにも、確認することがおすすめです。
- 分散は適切か?
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特定の業種や国に偏りすぎていなかったか確認しましょう。
- リスクを取りすぎていなかったか?
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自身の年齢や資産状況、リスク許容度に対して、リスクの高い銘柄の比率が高すぎなかったか確認しましょう。



必要であれば、この機会にリスクを低減するための調整を行うことも検討しましょう。
ポートフォリオ、分散投資について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。


対処法6:静観する(何もしないという選択肢も有効)


企業の業績が健全で、配当も安定して支払われているのであれば、「何もしない」という選択肢も非常に有効です。
短期的な株価の変動に惑わされず、長期的な視点で保有を続けることで、いずれ株価が回復し、さらに配当収入も継続して得ることができます。
特に、資金に余裕があり、すぐに売却する必要がない場合は、下手に動かずに市場の回復を待つのが最善策となることも多いです。
暴落時慌てないための事前準備5選


暴落が起きてから慌てないためにも、普段からの準備が重要です。事前準備として以下の5つを確認することをおすすめします。
- 余裕資金で投資を行う
- 分散投資を徹底する
- 企業の分析をしっかり行う
- 自身のリスク許容度を把握する
- 暴落時のシミュレーションをしておく
事前準備1.余裕資金で投資を行う
生活に必要な資金とは別に、当面使う予定のないお金で投資を行いましょう。これにより、暴落時でも焦って売却する必要がなくなります。
事前準備2.分散投資を徹底する
複数の銘柄、業種、国に分散投資すると、特定の資産の暴落がポートフォリオ全体に与える影響を抑えられます。
ポートフォリオ、分散投資について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。


事前準備3.企業の分析をしっかり行う
投資する企業の業績、財務状況、事業内容、配当方針などを事前にしっかり調べることが大切です。納得した上で投資することで迷いなく冷静に対処できます。
事前準備4.自身のリスク許容度を把握する
自分がどれくらいの損失までなら耐えられるかを理解しておくことで、暴落時も冷静な判断がしやすくなります。
事前準備5.暴落時のシミュレーションをしておく
もし株価が〇%下がったらどうするか」といったことを事前に考えておくことで、いざという時に慌てずに行動できます。配当目当ての場合は、企業の業績等を確認しましょう。
まとめ:暴落はピンチであり、チャンスでもある!?
株価暴落は、投資家にとって避けて通れない試練です。しかし、配当投資家にとっては、単なるピンチではなく、優良な企業を安く購入できる「チャンス」にもなり得ます。
暴落時こそ、感情的にならず、冷静に企業の状況を確認し、事前に立てた計画に基づいて行動することが重要です。
そして、普段から余裕資金での投資、分散投資、企業分析といった準備をしておくことが、暴落を乗り越えるための鍵となります。



この記事が、あなたが株価暴落時でも冷静に対処するための手助けけとなれたらうれしいです。一歩ずつ頑張っていきましょう!それでは!
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